冬は気温や湿度が低く、ウイルスにとって最適な環境となるため様々な感染症が流行します。また、寒さで免疫力が落ちたり、室内遊びが多くなることも流行の要因となります。
学校や保育・教育施設など、集団生活での感染リスクは避けられませんが、家庭での対策で感染拡大を防ぐことはできます。
今回は、子どもに多い冬の感染症、「インフルエンザ」と「ウイルス性胃腸炎」の対策をご紹介します。

油断禁物のインフルエンザ
例年、1月頃から流行するインフルエンザですが、今季は昨年秋頃から流行が始まりました。現在、発生報告数は減少しているとはいえ、福岡市では警報レベルが続いており、まだまだ注意が必要です。
インフルエンザは一般的に、A型の後にB型が流行します。一度かかっても違う型にかかることもあるため、手洗い・うがいなど基本の対策を続けましょう。
インフルエンザは、突然高い熱が出るのが特徴です。発熱は体がウイルスと戦う反応であり、むやみに下げる必要はありません。ただし、熱が高くてつらそうなときは、体を冷やしたり、医師から処方された解熱剤を使って、体温を下げてあげましょう。
子どものインフルエンザで注意したいのは、発熱後、数時間から1日以内に発症することが多いインフルエンザ脳症です。子どもの受け答えや行動に異常な様子が見られたら、早めに医療機関を受診しましょう。窓は施錠し、子どもから目を離さないことが重要です。

感染力が高いウイルス性胃腸炎
冬に子どもが突然吐いたり激しい下痢をしたら、感染性胃腸炎かもしれません。福岡市でも、現在、感染性胃腸炎の発生報告数が増えつつあります。
原因となるウイルスや細菌は色々ありますが、毎年冬に流行するのがノロウイルスやロタウイルス等のウイルス性胃腸炎です。
ウイルスは、嘔吐物や便を介して感染します。嘔吐物が乾いたあとでもウイルスが空中を舞って感染することがあるため、汚物の処理は丁寧に行いましょう。
嘔吐物処理のポイント
●アルコール消毒はほとんど効果がないため、市販の家庭用漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を薄めたもので消毒する。
●処理する人以外は近づかない。
●ペーパータオルを使い、使い捨ての手袋、マスク、エプロンを着用する。
●外側から内側に向かって中心に集めるように静かに拭き取る。
●嘔吐物等を拭き取ってから、消毒する。
●壁も含め周囲2mを消毒する。
●換気をする。
また、下痢や嘔吐が続くときは、脱水予防の水分補給が大切です。吐いた直後は避け、スプーン1杯程度から少量をこまめに繰り返し与えます。体液に近い成分を含み、吸収がよいイオン飲料なども活用するといいでしょう。
特に乳幼児はすぐに脱水になりやすいので注意が必要です。口からの水分摂取が難しくぐったりしている、尿が出ない、肌が乾燥しているなどは脱水のサイン。すみやかに医療機関を受診しましょう。

家庭内感染を防ぐために
集団生活を送る子どもが感染症にかかり、看病していた保護者にうつるケースがよくあります。
家族に感染者が出たら、できるだけマスクを着用し、接触した後には必ず手洗いと消毒を入念に行いましょう。
また、できる範囲で日中過ごす部屋や寝室を分け、タオルや食器の共有は避けます。回復するまで感染者は最後に入浴し、お尻を洗ってから湯に浸かるようにしましょう。
ドアノブ、スイッチ、リモコン、おもちゃ、スマートフォンなど、子どもが触れがちなものの消毒を習慣にするほか、加湿や換気など、ウイルスの活動を抑えるための環境づくりも大切です。

まとめ
感染症対策で大切なのは、「かかる前の予防」です。手洗い・うがい・換気などの基本対策に加え、十分に栄養や睡眠をとるなど、体調管理に努めることが有効です。家庭でできる日々の対策を重ね、この冬も元気に乗り切りましょう。
参考情報はこちら
インフルエンザについて
感染性胃腸炎について
※夜間・休日などで受診を迷うときは、#8000(小児救急医療電話相談)を活用しましょう。
※本記事の内容は、2026年1月時点の情報です。
●記事監修:小児科医