更新日: 2026年03月05日
親権・養育費・親子交流などのルールが新しくなりました

令和6年5月17日、父母が離婚した後の子どもの利益を確保するため、民法等の一部を改正する法律が成立しました。
この法律は、子どもの養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流等に関する規定を見直すもので、令和8年(2026年)4月に施行されます。主な改正内容は以下のとおりです(※)。
※ こども家庭庁作成のリーフレット「ひとり親家庭のためのみらい応援ガイド」から引用し作成しています。
親の責務に関するルールの明確化
こどもの未来を担う親としての責任
親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。
こどもの人格の尊重
こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。こどもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。
こどもの扶養
父母には、親権や婚姻関係の有無に関係なく、こどもを「養う」責任があります。養う度合いは、こどもが同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。
父母間の人格尊重・協力義務
こどものためにお互いを尊重して協力し合うことが大切です。下記のようなことは、このルールに違反する場合があります。
・暴力や相手を怖がらせるような言動、濫訴
・他方の親によるこどもの世話を不当にじゃますること
・特段の理由なく他方に無断でこどもの住む場所を変えること※
・特段の理由なく約束した親子の交流の実施を拒むこと
※暴力等や虐待から逃げることはルールに違反しません。
すべてはこどもの利益のために
親権者はこどもの世話やお金や物の管理などについて、こどもの利益のために責任を果たさなければなりません。
離婚後の親権に関するルールの見直し
新たな選択肢が広がります
1人だけが親権を持つ【単独親権】のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ【共同親権】の選択ができるようになります。
父母2人ともが親権を持つ【共同親権】の場合
日常のことは、一方の親で決められる
食事や着る服を決めること、短い旅行、予防接種や習い事などは、父母のどちらかで決めることができます。
大切なことは父母2人で話し合う
こどもの住む場所を変えることや将来の進学先を決めること、心と体の健康に大きな影響を与える治療やこどものお金の管理などについては父母が話しあって決められます。なお、父母の意見が対立するときには、家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。
一方の親が決められる緊急のケース
暴力等や虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらも1人で決めることができます。
養育費の支払い確保に向けた変更点
こどもの生活を守るために
養育費を確実に、しっかりと受け取れるように新たなルールの創設やルールの見直しが行われました。
取り決めの実効性アップ
文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。
※ 施行後に発生するものが対象です。
法定養育費とは
離婚時に養育費の取り決めがなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ、こども一人あたり月額2万円の養育費を請求できる制度です。離婚後もこどもの生活が守られるよう設けられました。養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものです。
※ 法定養育費は父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。
※ 施行後に離婚した場合が対象です。
裁判手続きがスムーズに
家庭裁判所は養育費に関する裁判の手続きをスムーズに進めるために収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。
安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
こどものことを最優先に行われます
親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。
親子交流の試行的実施
家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所はこどものためを最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し実施をうながします。
婚姻中別居時の親子交流
父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判等で決めることが明確にされました。
父母以外の親族とこどもの交流
こどもと祖父母などとの間に親子のような親しい関係があり、こどものために特に必要があるといった場合は、家庭裁判所はこどもと父母以外の親族との交流を定められるようになります。
Q&A
Q 共同親権になった場合に、ひとり親家庭支援(※)の対象者の取扱いには何か影響はありますか?
A ひとり親家庭支援は、親権の有無にかかわらず、配偶者のない者で現にこどもを扶養している者等を支援の対象者としており、離婚後の父母双方が親権者である場合でも対象者の取扱いに影響はありません。
※ひとり親家庭等日常生活支援事業、自立支援教育訓練給付金事業、高等職業訓練促進給付金等事業、ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業、母子父子寡婦福祉資金貸付等
Q 共同親権になった場合、児童手当や児童扶養手当の支給などに影響がありますか?
A 離婚後に児童手当や児童扶養手当を支給する場合は、民法上の親権や監護者の定めの有無にかかわらず、こどもを育てている実態があるか否かでその支給対象者を判断しています。
離婚後の父母双方が親権者となった場合にも、こどもを育てている実態があるかどうかで手当の支給対象者を判断します。
また、児童扶養手当の所得制限の所得算定については、受給者本人の所得によることとしているため、離婚後の父母双方が親権者となることにより算定に影響はありません。
Q 共同親権になった場合、保育の利用料には影響がありますか?
A 幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳児までは、全世帯を対象に無償化しているため、離婚後の父母双方が親権者となった場合でも現行の取扱いに影響はありません。
0歳から2歳児までについては、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、子どもを現に監護する者)及び当該者と同一の世帯に属する者に係る市町村民税所得割額により、市町村が保育料の算定を行っています。
市町村においては、どの程度こどもの監護を行っているか(関わっているか)という点を確認し、各家庭の事情を十分踏まえたうえで、保護者に該当する者を判断しているため、離婚後の父母双方が親権者となった場合でも、監護の実態を踏まえて判断する現行の取扱いに影響はありません。
Q 共同親権か単独親権かの違いにより、所得税法における扶養控除の適用に影響がありますか
A 所得税法においては、扶養親族であるこどもを有する場合について、そのこどもの所得金額が58万円以下であることや、そのこどもと生計を一にしていることなどの一定の要件の下、扶養控除の適用ができることとされています。
この扶養控除の適用に当たって、親権の有無は要件とされていないことから、共同親権か単独親権かの違いが扶養控除の適用に影響を与えることはありません。
参考・関連ページ
このページはこども家庭庁ホームページの「ひとり親家庭のためのみらい応援ガイド」を引用して作成しております。その他、民法改正に関するQ&Aやひとり親家庭支援について、下記リンク先より閲覧できますので、ぜひご確認ください。
こども家庭庁
■「ひとり親家庭のためのポータルサイト」ホームページ
■「こどもの未来のための新しいルール―親権・養育費・親子交流などに関する民法改正のポイント―」リーフレット
■「ひとり親家庭のためのみらい応援ガイド」パンフレット
■シングルマザー・シングルファザーの暮らし応援サイト「あなたの支え 」
法務省
■「民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について〔令和8年4月1日施行〕」
■「父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました」パンフレットPDF
■Q&A形式の解説資料(民法編)
■Q&A形式の解説資料(行政手続・支援編)
■動画「離婚後の子の養育に関する民法等の改正について~親権・養育費・親子交流などについてのルールが変わります!~」(約37分)【Youtube法務省チャンネル】
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